利益が出ない仕事を見つける方法|仕事別の利益管理とは?

仕事別の利益を分析するために資料とグラフを確認する経営者

「売上が大きい仕事」と「利益が残る仕事」は、必ずしも同じではありません。

会社全体では利益が出ていても、案件ごとに見ると、十分に利益が残る仕事と、ほとんど利益が残らない仕事が混在していることがあります。

大切なのは、一律に仕事を増やすことではなく、どの仕事で利益が生まれ、どこで失われているのかを把握することです。

1.仕事別の利益管理とは?

仕事別の利益管理とは、案件・工事・顧客・サービスなど、自社に合った単位で売上と、その仕事に直接かかった費用を集計することです。

会社の損益計算書からは全体の利益が分かります。しかし、それだけではどの仕事が利益を生んだかまで見えない場合があります。建設業なら工事ごと、販売業なら商品や取引先ごと、サービス業なら契約や案件ごとなど、仕事の実態に合わせて管理します。

2.同じ売上100万円でも、残る利益はこれだけ違う

架空の会社で、売上がそれぞれ100万円の「案件A」と「案件B」を比較してみましょう。

項目案件A案件B
売上高100万円100万円
材料費25万円15万円
外注費15万円45万円
社員の直接労務費20万円25万円
交通費などの直接費5万円10万円
直接費合計65万円95万円
案件利益35万円5万円
案件利益率35%5%
社員の作業時間80時間100時間
説明用の架空の数値例。直接労務費は作業時間×管理用の時間単価2,500円で計算。案件利益には本社経費などの共通費を配賦していません。
同じ売上なのに、案件利益は7倍の差
案件A 35万円(利益率35%)
案件B 5万円(利益率5%)

横棒は最大40万円を共通目盛として比較。数値は架空の例です。

どちらも売上は100万円ですが、案件Aの利益は35万円、案件Bは5万円。売上だけでは、これほどの違いに気づけません。

さらに、案件Bの方が作業時間も多くかかっています。案件利益を作業時間で割ると、Aは1時間当たり4,375円、Bは500円。限られた人員や時間をどう使うか考える参考にもなります。

注意:ここでの「案件利益」は直接費を引いた管理用の指標で、会社の最終利益ではありません。また、社員の労務費を案件原価に入れた場合、会社全体の集計で同じ人件費を二重に差し引かないようにします。

3.利益が出ない仕事に共通する5つのサイン

① 見積りにない追加作業が多い

打合せの増加、手直し、現場への再訪問などが続くと、想定していた利益は減っていきます。

② 材料費や外注費が予定を超えている

追加発注、価格変更、急ぎの手配などがどの案件で発生したかを確認します。

③ 社員の作業時間を把握できていない

担当者が何時間使ったのか分からなければ、利益の少ない原因を判断しにくくなります。まずは大まかな時間記録から始められます。

④ 値引きや追加分の請求漏れがある

追加作業の請求ルールが曖昧だと、売上に反映されない費用だけが増えることがあります。

⑤ 仕事が終わっても採算を振り返らない

見積時点の予定利益と、完了時の実際の利益を比べることが次の仕事の改善につながります。

4.Excelで始める、仕事別利益管理の5ステップ

STEP 1|最近の仕事を10件選ぶ

最初から全案件を集計する必要はありません。売上が大きかった仕事、忙しかった仕事、利益が気になる仕事などから選びます。

STEP 2|仕事別に売上を整理する

案件番号や取引先名を決め、請求書などから仕事ごとの売上を整理します。値引きや追加請求も反映します。

STEP 3|直接費と作業時間を集める

材料費・外注費・交通費・社員の作業時間を集めます。社員の人件費は、管理用の時間単価を決めた概算から始めても構いません。

STEP 4|案件利益と利益率を計算する

案件利益=案件売上-直接費合計

案件利益率=案件利益÷案件売上×100

仕事ごとに数字を並べ、利益の少ない案件とその共通点を探します。

STEP 5|原因を一つ決め、次の仕事に反映する

外注単価を見直す、追加作業の請求ルールを設ける、見積り時間を修正するなど、実行できる改善策を具体化します。翌月以降も同じ方法で確認しましょう。

5.利益が少ない仕事を、すぐにやめる必要はない

採算の低い仕事にも、将来の取引につながる仕事や、他の案件と組み合わせることで意味のある仕事があります。数字だけで一律に判断するのではなく、利益が少ない理由と、その仕事を続ける目的を確認することが大切です。

6.高額なシステムがなくても、利益管理は始められる

仕事別の利益管理というと、新しいシステムの導入が必要だと思われがちです。しかし、今ある請求書・支払明細・作業記録をExcelにまとめるだけでも改善の手がかりを見つけられます。

重要なのは、特定の社員だけが理解できる集計ではなく、誰が見ても数字の意味が分かり、毎月続けられる仕組みにすることです。

profit|プロフィットでは、仕事別利益の集計から、見積り・請求・支払・業務管理の仕組みづくりまで、会社の実態に合わせた改善を支援します。

「どの仕事が儲かっているか、まず知りたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。

無料相談で、利益管理の見直しを相談する

関連記事:売上が増えているのに、なぜ会社にお金が残らないのか?

経営の課題を相談する ↗

← 専門記事一覧に戻る